勝つことよりも負けないこと(130627)

親愛なるみなさん、おはようございます。今日もツイてます。

「勝つことよりも負けないことを」大山康晴(1923-199
2)棋士 永世王将・永世棋聖)勝負のこころより

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人間、好調なときばかりではない。好調の波に乗るときは、さら
につきも加わってきて、万事がうまくいく。ただ、好調にうかれ
ないことを自戒すればいい。むしろ、不調のときにどう戦うかで、
その人の評価が決まるのではないだろうか。

私たちの大局でも、勝てる将棋を勝ち切ることはむずかしい。高
い確率を維持するには、勝てる将棋は確実に勝つ。同時に、形勢
の悪い将棋を勝ちに持っていく。それができないと、六割とか七
割以上の勝率をあげることはできない。

最近は、将棋連盟も『将棋年鑑』を発行し、そのなかに全棋士の
年間勝率が示してある。ご覧いただければ、ひと目で好不調がわ
かるが、六割、七割以上の勝率を保つ棋士は、単に調子がいいだ
けではない。

悪い将棋も勝ちに持っていった結果が、高い勝率となって示され
ている。統計好きな方で、棋士の勝率をお調べになるとき、その
数字の奥にひめられたもの、勝負の場に臨む棋士の姿まで、その
数字のなかから読み取っていただきたいと思う。

将棋を指していると、勝負所というチャンスは、必ずいく度かは
現れる。そのチャンスを生かすためには、すぐに飛びついてはい
けない。私は、いつも書くように、先の見通しが七割方先立つと
きに初めて勝負に出る。

多少でも無理があると見れば、見送って次のチャンスを待つこと
にしている。長い勝負の体験から、上のような考え方で冷静に形
勢を判断して、勝ちに持っていくことを心掛けている。

もう一つ、これも長い棋士生活のなかで発見した考え方として、
「必勝」よりも「不敗」ということを重く見るようになった。

勝負の場では、必勝といっても不敗といっても、結果としては同
じことと思えるが、実戦心理を分析すれば、同じことのようで、
質的には大きく違っている。

必勝の体勢というのは、一般的な用語で言い替えれば、前向きな
姿勢ということとなる。

それは勝ち抜くためには絶対に必要な姿勢であるが、前に進むこ
とばかり考えては、足もとから危険が飛び立つことがある。

なるほど、必勝の体勢というのは、聞こえもよくて一般受けする
だろう。それでもいいが、私は、勝つという目的を達成するのは、
むしろ、「不敗の体勢」を築くことが大切だと思う。

危険をのぞき去って、不敗の態勢を築くことのほうが、より確実
に勝利を手にする方法である。勝負の体験から、私はそうした考
え方に重点をおく。

名をとるか、実をとるか。躊躇(ちゅうちょ)なく私は、実をと
ることを選ぶ。

将棋の対局ではむろんのこと、実生活でも、虚名ほどむなしいも
のはないだろう。たとえば、プロの大局では、王手を掛けて追い
つづけては、息切れしてたいていは失敗する。

将棋の格言は、「むやみに王手をするな」と教えている。アマチ
ュアの方は、すぐに王手を掛けたがる。威勢がいいから、すぐ手
が出てしまうのである。将棋で、王手を掛けることができる状態
のときは、それは絶対といえる権利の行使である。

絶対の権利なら、何も急いで行使することはないだろう。権利に
は必ず、義務が伴う。

王手という権利を行使することに気をとられること、必ず、「守
り」という大切な義務がおろそかになってしまう。

魚取りにたとえてみれば、よくわかる。魚を網で追いつづけては
逃がしてしまう。網のなかに魚を追いこむ手を講ずるほうが、よ
り確実に魚を捕らえることができよう。

原理は同じことである。

私は、いつも「守り」の義務を履行(りこう 決めたこと・実行)
しておいて、それから権利を行使するようにする。

不敗の態勢を築くことは、ほんとうは「必勝」の態勢を築くこと
になるわけである。
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勝つことよりも負けないこと。企業永続の要諦です。今日も喜ん
で進んで働きましょう。


 

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