一流の仕事人を目指せ (140206)

親愛なるみなさん、おはようございます。今日もツイてます。

「俳優になるんだったら一流を目指せ」大地康雄(俳優)『致知』
2014年3月号連載「20代をどう生きるか」より

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劇団に入ってからは、俳優修業とアルバイトの二重生活が延々と
続いた。当然、田舎者の私にコネなどない。30か所以上の芸能
プロダクションを飛び込みで回ったが、悉く惨敗。そんな時、友
人からガラス磨きのアルバイトを紹介してもらった。

得意先探しで田園調布や成城といった高級住宅街を一日50軒近
く訪問しても、断られる日々。だが、あの時は俳優という目標に
向かってまさに無我夢中だった。

一分一秒無駄にしまいと、夏場の炎天下で汗が噴き出していても、
次の家に向かう時は常に走っていた。ガラス磨きをしながら、大
声で発声練習をしたり、台詞を覚えたりと、ご迷惑もかけた。

だが、そのひたむきさを見ていてくれた人もいたのだろうか、徐
々にお得意先は増えていった。

そんな生活が続く中、五反田近辺を歩いていると、ある表札が私
の目に飛び込んできた。

「伊藤雄之助」黒澤明監督作品に数多く出演していた名優・伊藤
雄之助の自宅を偶然見つけたのである。

私はすぐに弟子入りを懇願したが、「うちはもう弟子を取らない
ことにしているから諦めなさい」と奥様に一蹴された。

なぜかと尋ねると、過去に何人か取ったけれども、その厳しさに
耐え切れず皆辞めていったのだという。その言葉に、むしろ私は
燃え立った。

それから何度も自宅に通い詰め、ガラス磨きをしながらチャンス
を窺っていた。そして8回目の訪問、遂にその時は来た。

いつも通りガラス磨きをしていると、伊藤先生が奥から出ていら
した。

「君はしつこく来ているらしいけど、誰かの紹介か?」

「いえ、違います。僕は石垣島から出てきて、俳優になりたくて
もコネがないもんですから、こうしてお邪魔させてもらっていま
す」

すると先生は私の目をじっとご覧になって、こうおっしゃった。

「明日から来てみるか」

私の諦め切れない執念が先生に伝わったのだろう。こうして19
74年、22歳の時に弟子入りを果たした。

心の中で「やったあ!」と叫びながら、桜並木の坂道をジャンプ
して帰路についたことをいまも鮮明に記憶している。

翌日からは厳しい修業生活が始まった。最初は右も左も分からず、
叱られてばかり。

ある日、稽古の休憩中に、台本を跨いでトイレに行ったことがあ
る。すると、間髪を容れず先生の檄が飛んだ。

「バカ野郎! 台本を跨ぐとは何事だ。俺たち役者はこれで飯を
食わせてもらってる。そんな礼儀のかけらもないやつが役者にな
んかなれるか。ふざけるな!」

そういう人としての基本から徹底的に叩き込まれた。また、早く
有名になって稼ぎたいという私の野心を見抜かれたのだろう。

入門数か月後に、こんな言葉を掛けてくださったことがある。

「おまえ、俳優になるんだったら一流を目指せ。その覚悟がなけ
れば明日から来なくていい」

私が意味を取りかねると、さらに続けた。

「要するに人間の弱さ、愚かさ、悲しさ、醜さを全部表現できる
のが一流の俳優だ。そういう本物の俳優になって初めて、地位や
名誉、金は自然についてくる。順番を間違えるな!」

頭を殴られたかのような衝撃だった。

それから私は本物の演技とは何か、どうすればそういう演技がで
きるのかを常に考えながら、先生の演技を観察・研究し、訓練を
続けた。

そんな私に最初の転機が訪れたのは、26歳の時のこと。
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その後も度重なる苦難、困難が彼を待ち構えていました。師匠の
言う「一流の俳優」へと成り上がっていきます。

僕たちの業界での一流とはなんでしょうか。なんだと思いますか。
一流の仕事人を目指していきましょう。


 

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