柳は緑、花は紅 (140608)

親愛なるみなさん、おはようございます。今日もツイてます。

「柳は緑、花は紅」横田南嶺(円覚寺管長)『致知』2014年
6月号新連載「禅語に学ぶ」より

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恩師の松原泰道先生には、私はまだ中学生の頃から、30年の長
きにわたってご指導をいただいた。その間にたくさんの著書を署
名をして頂戴した。

最後にいただいたのは、致知出版社の『いまをどう生きるのか』
でした。その時に、先生は私の目の前で、筆を持たれて

「柳緑花紅 百二歳泰道」

をお書きくださった。何の説明も必要ないほど、簡単明瞭な禅語
であるが、意味は奥深い。

円覚寺の前管長である足立大進老師は岩波文庫から『禅林句集』
を刊行されている。私も凡そ7年にわたって、その編集作業のお
手伝いをさせていただいた。

主に全ての禅語の出典をしらべて、語句を参照し校訂した。ある
日のこと、足立老師のご自坊で編集作業中に突然、「柳緑花紅」
の出典は何かとご下問があった。

この語の出典については古来諸説あって難しい。私はその場で様
々な書物にあたって調べていた。しばらくして奥の茶室からお声
がかかった。

茶室にて足立老師ご自身のお手前でお茶を頂戴していると、老師
から出典は分かったかと問われる。

私があれこれ調べたところを申し上げていると、老師はお茶を点
てながら、

「出典はな、ご覧、窓の外だよ」と仰せになった。

窓から外を眺めると、折から新緑の時節で、まぶしいばかりの全
山新緑の中、所々に美しい花が咲いていた。

禅語を書物の上だけで学んでいては、その本質を見失ってしまう。
文字に拘泥している私を憐れんでのお示しであった。今もその時
の新緑の光景が忘れられない。大自然は常に教えを説き続けてい
る。私達は謙虚に教えを学ばねばならぬ。

年々に木々は緑の芽をのばす。花は歳々美しい色に咲いている。
大自然の大いなるいのちの発露である。私達も本来大自然から賜
った尊いいのちをいただいて生まれて、今日まで生きている。

人生の様々な問題に悩むことも多いが、そんな時こそ、大自然の
大いなるいのちを賜っている、この原点に立ち戻ることが大切に
思う。

思えば、中学生の時初めて松原泰道先生にお目にかかった時に、
仏教の教えを一言で表す言葉をいただきたいとお願いをした。先
生は不躾な質問に嫌な顔ひとつなさらずに、

「花が咲いている 精一杯咲いている
わたしたちも 精一杯生きよう」

と書いて下さった。

また松原泰道先生は八木重吉の

「花はなぜ美しいか
ひとすじの気持ちで咲いているからだ」

という詩を愛されていた。

与えられた場所で、今与えられたいのちを精一杯咲いている花の
姿を見ては、ひとすじに生きてきたかと反省させられる。

今年も緑の新芽の様子に、こちらも精一杯生きねばならぬと思い
を新たにする。

「柳は緑、花は紅」。

味わい深い禅語である。
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休日の時は、山歩きもいいかもしれませんね。外に出て自然に触
れると生きる力(生命力)が増すようです。

今日も自然に触れて心穏やかに過ごしましょう。


 

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